市町村合併について考えてみましょうか
市町村合併という文字が新聞に載らない日がないほどなのに、多くの市民は自分の問題として実感できない・・・。それは、自分の手の届かないところで議論されていて、どうせ「財政が厳しいんだから」と言われてしまえば、「ああそうですか」としか言えないのだと気づいているからではないかな。だからといって、どんどん話が進められて、「私達は関係ないんだ」では、いいわけがないですよね。・・・というわけで、市町村合併について一緒に考えていただけたらという願いを込めて、このページを作りました。
朝日新聞の「声」欄に投稿文が掲載されました!

2002年(平成14年)7月29日  月曜日朝刊

市町村合併は地域自治から
                   主婦 中谷 通恵(北海道 41歳)

 市町村合併が注目されているが、私の住んでいる北海道の白老町は、地域自治に積極的である。
 人口はおよそ2万2千人。町民との政策情報を密にするために、00年に情報公開条例が施行された。住民も自治への参加を充実させるために、地域ぐるみで奮闘している。

 私も子育て支援などへ男女が共同参画できるよう、ささやかながら活動してきた。たとえば、子育ての方法や悩みなどの情報交換の場として、ホームページを開いている。

 道内他市町村の仲間も増えたが、人口が多い町に住む市民ほど「行政とともに働くなんて無理」 「自分たちの提案が施策に反映されるなんてありえない」と思っている。
 「みんなに同じだけのサービスを」から「必要な人に必要なサービス」が求められている。その地域では何が必要かを計画の段階から住民主体で決定し責任を持つ仕組み。これが可能になれば、合併への不安は減るだろう。

 財政基盤安定のために合併が必要なら、地域自治実現のための地域内分権が、
必要ではないだろうか。



上記の「声」欄への投稿は、朝日新聞の7月22日に掲載された千葉大学の大森教授の「私の視点」を読んでの感想として送ったものです。以下に、大森先生の論文と、「声」欄に投稿した原文を紹介しますので、読んでみてください。大森先生の論文には、私は共感する部分が多かったのですが、みなさんはいかがでしょうか?
ただ、本気で住民自治(地域自治)に取り組んでいる地域は少数ですから、住民自治が充実してこないと合併はデメリットの方がはるかに大きいと私は考えるのですが・・・。
    2002年(平成14年)7月22日 「私の視点」
◆市町村合併地域自治の充実を優先せよ

                             おおもり わたる
千葉大学教授、前地方分権推進壷鼻会専門委員 大森 禰

 分権改革を実効あるものにするためには、外に向かって区域を拡大するときに、内なる地域自治の充実を図らなければならない。
 市町村合併は、単なる区域の変更ではなく、住民自治の変更でもあるからだ。合併で周辺地域がさびれるとか、自治が遠のくという見方があるが、それは、構想力と手法の貧困ではないか。地域の将来を展望した自己決定が大切である。

 地域(旧市町村)の個性や自治の実績は、合併後も伸長させな′ければならない。複数自治体の統合が多様性を失わせるのでは、地域全体の活力を弱める。
 しかし、よほどの手立てを講じない限り、周辺地域のニーズは軽視される。これは昭和の大合併が残した一つの教訓だった。平成の合併では、何よりも地域自治の充庚策を優先すべきである。
 いま住民は、各地の地域づくりなどを通じて身近な問題について合意を形成し、支え合って自治能力を発揮しはじめている。近隣公園や集会所の運営管理、緑の保全やリサイクル活動、高齢者への配食、子育て支援、防犯・防災活動などを実践している。
                
 例えば滋賀県甲良町は、3年後の合併を前に住民自治の基盤を囲めておこうと、まちづくり条例を準備し、13集落の自治組織に約100万円の交付金を渡し、「地域起こし」を奨励している。伝統行事に使う少なくなったススキの一種を地域内で育てるアイデアも出ている。地域白酒への息吹を感じることができる。

 こうした試みは、自立した活動主体と相応の権限を制度化することで、さらに発展する。合併は、地域自治の確立を通して、住民自治を成熟させる好機なのである。
 そのため、合併を計画している自治体は、次の手順を検討してみてはどうだろう。
@現在の市町村に地域振興課(仮称)を設置する。まちづくり課など類似組織も活用できるA合併協議会の協議事項に地域自治の充実を掲げる
B合併協定書に、地域自治の新たな仕組みを合併後の自治体で条例化することを盛り込む。

 さらに、地域自治の仕組みについては、次のような制度設計が考えられる。
 @合併後の議会議員定数のうち、一定数を旧町村単位で選挙し、地域の意思を反映させる。つまり、選挙区制度を導入する。
 A合併特例法にある地域審議会を活用し、恒常化する。審議会は、地域選出議員に加え、相当数の公募委員を参加させて全面的な住民参画の場とする。また、合併後の首長の諮問機関としての性格をもつが、その審議結果が最大限尊重されるよう条例に書き込む。
 B合併後、旧町村単位に例えば地域局を設け、地域ニーズにかかわる事務事業を執行する職員を置き、予算を付与する。その局長の人選は議会承認の特別職とするか、公募して住民の面接で採用することにする。

 こうした提案は地域エゴを誘発し、合併の効果を損なうと批判されよう。しかし、地域自治の充実抜きでは、合併後に個性ある地域の発展はむずかしい。地域自治を軽んじたまま、やむを得ず合併しては、必ず周辺地域に不平不満を残す。
 合併を機に、住民自治の内実を豊かにしていく積極的な発想が強く望まれる。
                
北海道白老町に住んでいます。中谷通恵(41)と申します。
以下の文章を、「声」欄に投稿しますのでよろしくお願いします。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 7月22日の千葉大学大森教授の「市町村合併・地域自治の充実を優先せよ」を興味深く拝読した。
 我愛する白老町は人口2万2千人。情報公開と住民参加を進め、地域自治を充実させるため奮闘している。
 私も子育て支援・男女共同参画が実現するようささやかながら活動してきた。道内他市町村の仲間も増えたが、人口が多いまちに住む市民ほど、「行政との協働なんて無理」
「自分達の提案が施策に反映されるなんてありえない」と思っている。
 それは何故か。職員個人の能力の差だけではない。人口の多いまちでは、行政の特性である「公平性」が現代的な公共課題の解決を遠ざけてしまうのではないか。
 「みんなに同じだけのサービスを」から「必要な人に必要なサービス」が求められている。
その地域では何が必要かを計画の段階から住民主体で決定し責任を持つしくみ。つまり「地域自治のしくみ」が、今存在している人口の多いまちでも可能になれば、合併への不安は減るだろう。
 財政基盤安定のために合併がどうしても必要であるなら
地域自治実現のための地域内分権を強く強く望む。
 

自治・まちづくりのページへ