斜里町での取り組み
社会教育行政と地域住民の協働
昨年(01’11月)斜里町に子育て講演会の講師としてお邪魔したことがきっかけで、社会教育担当のKさんや、話を聞いてくださった住民のMさんとメールのやり取りをさせていただくことができました。くださったメールの中身に、とても熱いものを感じました。社会教育行政と住民とが、試行錯誤しながら、地域のために・子どものために・自分のために奮闘しておられる熱気が伝わってきます。
そこで、kさんやMさん(ハンドルネーム・ガリバードさん)からいただいたメールを、了解を得て紹介させてもらい、これを読んでくださっている子育て支援に関心のある皆様の≪行政や住民≫のかかわり方のヒントにしていただければと思います。
*社会教育担当のKさんのメールから
*住民(母親)のガリバードさんのメールから
*グッドトイ展について
*グットトイ展に参加して(住民の方の感想より)
社会教育担当のKさんのメールから
その1
こんにちは。
先日の講座でお世話になりました斜里町のKです。

HP開設おめでとうございます。
先日お見えになったときにお話していたものが完成したんですね。

さて斜里の近況ですが、
以前少しメールでお知らせしていたかと思いますが、
あの講座の際に積極的にお話していたお母さん方も加わって
2月6日〜10日まで、「グッド・トイ展」というのを実行委員会で行うことになりました。
ただの展示会にするのはもったいないということで、
今、おかあさん方で遊び場マップづくりなども進めています。
見せていただいた白老のようには行きませんが(特に今回は時間がなかったので)
公園をグルグルまわって、レポートを書いているので面白いですよ。

また実行委員会は、学校の先生、子育てを(とっくに)終えたお母さん方や
木工のサークル、図書館、児童館などの教育機関(もちろんゆめホールも共催です)
デイサービスセンターの職員などの福祉分野まで様々な立場の人が「おもちゃ」を通じて関わっていますので今回を機会に、グループ?会?
どんな風になるかはわかりませんが何らかの後に残る成果になるのではと楽しみにしています。

白老のように、職員と住民が一緒になって町づくりを考えられるように
なっていけば・・・と願っています。

とりあえず近況報告でした。

その2
こんにちは。
・・・・・・・・・・略・・・・・・・・・・・・・・・・・

この後、どんな風にころんでいくのか・・・!!
学校の先生がけしかけてくれているので(私以上に過激に!)
「おもちゃ図書館があったらいいですね」とか
「いろんなサークルが児童館におもちゃを寄付するようになれば」
「調べた地図を子供を持つ家庭に渡るように役場にさせよう」
「こんな風に子育て環境を年に1度調査して発表する機会があれば」
などなど。
みんなが刺激を受けているようで、面白いですよ。

と、今回のイベント(グッド・トイ展)の準備に追われながら楽しんでいるこのごろでした。

それでは、また。
住民(母親)のガリバードさんからのメールから
その1
 大変、ご無沙汰いたしております。斜里町のMです。本当に、ご無沙汰いたしておりました。
夢ホールの
Kさんとお会いするたびに中谷さんのお話になるのですが、なかなかメール出来ずにいました。通信が、終わってしまうことも聞き、寂しい気持ちがしました。でも、ホームページを見せていただき、これからは、パソコンを開く楽しみが増えました!!
    さて、私事ですが・・・近況を聞いてください!中谷さんにお会いして、自分の中でくすぶっていたものに火がついたような気がします。斜里町で「グット・トイ展」が開催されたことはご存じのことと思いますが、その実行委員の一員として活動させていただきました。そのことが、ますます、私の中で眠っていたものを起こし、「やっぱり、私は何かしていなくてはだめだ!!」というエネルギーがわいてきたのです。
 教職を離れて6年目・・・どうしても、子供に関わることから離れることが出来ない自分を、押さえつけていた限界が来たようです。そう、自分で認めた後はもう、気持ちが楽になって、中谷さんが夢ホールの廊下で残してくださったメッセージを心の中で繰り返しています。『間違ったことをしているのではないのだから・・・』。今の私のおかれている環境や条件の可能な範囲で何か力になれることはないだろうかと考え、実行しています。

    @    斜里町立図書館の『読み聞かせの会」に、仲間10人近くを誘って入会し、4月から、代表として活動を広げていく予定です。(出来て、2年目の会なのですが今まで2,3人で大変な一年間だったようです。)
    A    「グット・トイ展」をきっかけに、『みんなあつまれ!おもちゃのわ』という、サークルを立ち上げ5月から、本格的に活動が、始まります。ここでは、手作りおもちゃをつくったり、講師の方を招いておもちゃづくり講座を開催したり、おもちゃを通じて、子供との関わりなどを考える、ミニ座談会(勉強会)などを計画しています。メンバーは、現在15人ほどでスタートしました。
    B    斜里町にある、通園センターの先生にお願いして、お母さんのお勉強会を連続講座という形で2回開催していただきました。これが、とっても好評で今後も計画する予定です。日曜日などに、お父さんも参加できるようなものも計画しませんか?と、センターの先生からも全面的な協力を頂き、嬉しく思っています。
   
    今年に入ってからの、私を取り巻く主な変化をご報告させていただきました。お忙しいお時間の中、長々とすみませんでした。でも、中谷さんに是非ご報告したくて・・・ずっと、出来ずにいたメールだったので・・・。本当に、中谷さんにお会いできたこと、感謝しております。そして、夫や友人から、最近とっても生き生きとしていると言ってもらい、ますます嬉しく思っています。無理をせず、少しずつマイペースで・・・自分に出来ることをさせてもらおうと思っています。また、聞いてください。

その2
こんばんわ。先日は、私のつたない報告をココキチの中で取り上げてくださってありがとうございました。Kさんと、「載せてもらいましたね・・・!!」と、お互いに照れ笑いをしていました(笑)。早速、一緒に頑張っている仲間の方々に報告し、みんなで喜んでいます。
・・・・・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    さて、またまた、進展がありました!!我が町にも子育て支援グループが誕生しました。その名も「チルドレン・マザーズ・スマイル・サポート」。これから、どのように広がっていくか、とっても可能性を秘めた期待できるグループだと自分たちの中で盛り上がっています!!
第一段として、5月31日に「ママのおしゃべり座談会」と称しまして、支援センター、通園センターの先生方をお招きし子育て真っ最中の方々とフリートークをしました。準備期間は短かったのですが、その中で、行政の方ともお話しする機会があり、座談会終了後は、私たちなりに斜里町における子育て環境の課題が何点か見えてきたように感じています。
来てくださった方の中で、「ほかの町から来てもう数年になりますが、ずっと子育てのことを話せるお友達を探していました。今日、ここに来て本当によかったです。」と言っていただきました。このように感じてくれた方がいてくださったと言うことが、私たちのエネルギーになりました。斜里新聞や、町の書店で発行している新聞にも、記事の掲載をお願いし、今年度から始まった、斜里町での「エンゼルプラン」にも絡まって活動をピーアールしていこうと思っています。
つくづく感じることは、「人との出逢い」の大切さです。そして、お互いに、お互いを認め合って手をつなぐことの必要性を強く感じています。先日、ある方に、「もう、すっかり斜里の町民ですね!!」と言われ、何だかとても嬉しかったのです。そう感じる自分にも、少し驚いてしまいましたが・・・。充実した毎日を送っております!!
グットトイ展について
 斜里/子ども芸術フェスティバル ー美術部門−
「おもちゃフェスティバル2002 日本グッド・トイ展in斜里」

●日 程  平成14年2月6日(水)〜10日(日)

●会 場   ゆめホール知床 公民館ホール

●主 催  斜里町おもちやフェスティバル実行委員会

●共 催  斜里町公民館ゆめホール知床・日本グッド・トイ委員会

●後 援  斜里町・斜里町教育委員会

●入場者数  
2月6日  290名 
2月7日  442名
2月8日  369名  
2月9日 576名
2月10白  124名
計 1801名 ・9団体333名

● 講座・講演会・企画

グッド・トイ展 ・・・200点あまりのグッド・トイの展示
エコロジカル・トイ・・・ 20点あまりの展示
おもちや探検隊・・・ マップの展示 ミニマップの配布 支援センター・通園センターパンフ
なつかしいおもちや・・・ 3世代に渡るおもちやの展示 ○父母のせ代 ○祖父母の世代 ○曾祖父母               の世代
町民手づくりおもちや・・・ ○綾野氏おもちや(ウトロ) ○吉川氏コカリナ(ウトロ) ○木工サークルお               もちや ○布のおもちや展示 ○児童館提供おもちや
書籍紹介・・・ ○おすすめ絵本 ○手づくりおもちやの本 ○本のリスト渡し 計200冊程度
プレイコーナー・・・ 実際に遊べるおもちやを配置 ○木工サークル提供分 ○仲良しクラブ堤供分 ○            児童舘提供分
《講座・講演会等》

オープニング・・・ ○実委長あいさつ ○教育長あいさつ ○テープカット
「おもちや作家」に聞く・・・ おもちやの世界 ウトロ在住、綾野さんのお話
「手づくりおもちやのススメ」・・・ 岡田氏による、簡単なおもちやを作りながらの お話
「介護とおもちや」・・・ シルバー・トイを中心したおもちやの話
「豊かな生活文化としてのおもちや」

《手づくり広場》9日
日程 内容 担当 備考
サークル「しやぽん玉」の  絵本の読み聞かせ
手づくり絵本教室
手づくりおもちやの出店コーナー
オホーツク風雲ワクワク団の人形劇 今野道裕氏のお芝居
スポンジシアター
おもちやのリサイクル市抽選会

グットトイ展に参加して*住民のYさんの感想

 斜里に戻ってきて1年半。子供の遊び場についてこれでいいのか、と考える事が多かった。自分の幼少期の楽しかった経験をやはり自分の子供にさせてあげたいと思うものである。限られた町内の公園を子供と一緒に遊びにいくと、対象年齢が高いことに気付く。幼稚園に通っている2人の我が子は、母の協力のもとこげないブランコで遊ぶ。多分それも今となっては良い思い出。しかし、母としては2人につくのは結構しんどい事も確かなのだ。
 「ゆめホール」のきれいな芝生に、見て楽しむだけの機関車だけでなくって、触れて感じられる木の遊具があったら素敵だなあと思う。実際、「花遊」のサークルで子供を連れて行くと、気候の温暖な時はベランダを開放して子供達は芝の上を走りまわっている。母は少しの自分の時間を大切にし、子供は夢中になって遊んでいる。
 こんな空間はとても贅沢だと感じながら過ごしている。そう思うと冬はともかくとして、夏は芝生が見える実習室が子供達のためのなんらかの場所だと良いと思う。

 3年前3ケ月という短期間ではあったが、カナダのトロントに滞在した時、コミュニティーセンターによく足を運んだ。始めは子供に友人を作るためと思っていたが、行ってみると自分の語彙のなさに気後れしてしまった。でも子供達は平気で遊んでいる。おもちやの豊富さに目もキラキラしている。そしておもちゃを通して子供同士コミュニケーションしていた。広いスペースとは言えないけれど、絵本も読め水彩もできる。粘土もあるし、すべり台もある。時間帯によってはサークルもはいっているし、子供
だけのサークル(大人のリーダーが遊びを指導してくれる)があった。
 サマースクールはたしか5歳くらいからだと思う。行政の催しなので、低金額だった。我が子は適年齢に達していなかったので、1回2$で施設に遊びに行っていただけであるが、一時滞在の子連の親子にとっても、有り難い場所であった。トロントは比較的気候が北海道に似ていると思う。あちらは
大都会ではあったけれども、夏休みの子供の過ごし方・冬の過ごし方を行政が工夫しているという印象を持った。同じ冬の匂いのする頃だったなと、実行委員をしながら思い出した。

 普段生活をしていると、子供が誰かとケンカしたとか泣かせたとか、そんな小さいことで私は一喜一憂している。だから地域単位での子育てをあまり考えた事がなかったように思う。今回実行委員という立場になり、斜里町という単位で子育てを考える機会に恵まれた。確実に子供が減り、老人の安楽の地となってしまった斜里町。地域の繋がりも薄くなってきたように感じていたけれど、展示会に来てくれた方々や実行委員の方に出会えてまだ変えて行けると思った。
 でも強く思うのは、単に隣人だから仲良くしましょうというのは、無理のような気がする。余暇が増えて情報が氾濫し選択しも増えた時代に、同じ価値や魅力を見出せないとなかなか人・物・場所と付き合っていかないのではないかと思う。魅力的な場所は、リサーチしたり勉強していけば作り出せるだろう。これから学校も週休2日になり、ますます余暇が増える。荒々しいが力強いオホーツク海、緑の美しい山々に囲まれたこの町は、可能性を秘めている。しかしながら、「すばらしい環境にいる」と認識している町民は少ない気がする。日本という単位で考えるととても人間が育つ良い環境だと思うのだが。

 展示会での子供達の輝いている目、紅潮した頬の子供達の遊んでいるのを思い出すと是非もう一度「グッド・トイ展」を斜里で!という思いは強くなる。子育てから地域のあり方に気づかせてくれた、A先生はじめ皆さんに感謝したい。そして何かの折には、また参加させていただきたいと思う。

ガリバードさんの中にずっとくすぶっていた「子どもや親支援、学びの場づくりをしたい」という熱い思いが、社会教育行政のKさんや他の同じ思いの人との出会いで醸成されたのですね。
私(中谷)もそうだったのですが、よその地域で、「こんなことしてる・あんなことしてる」という話を聞くことは、ものすごい後押しになります。社会教育行政に携わっているみなさま、ぜひ、よその情報をフレッシュな形で提供してあげてくださいね。Kさんは、笑顔の素敵な意欲にあふれる方。住民との話し合いを「楽しんでます!」とは、なかなか言えないですよね、普通は・・・。苦情も要望も、前向きに捉えていかれるかただなあと、たった1度しかお会いしていないのに、思いました。また、報告してくださいね。
(中谷)

北海道の子育て支援のページへ