子育てネットワークとかち〜ローズマリー〜
*「子育てネットワークとかち」の代表をされている正村さんとは、1昨年(確か)芽室町で開かれた『北海道自治体学会』の全道フォーラムでお会いしました。その後、メールなどで励ましあったり、地方自治土曜講座に参加した時の昼ご飯を食べながら、情報交換してきました。
会ったとたんに旧知の友人のように話が弾む不思議な関係です。女性として・1人の人間として自立して生きるとは・・・ということに重きをおいて等身大の母親支援をされています。NPOの申請をするなんて、すごいなあ。
*子育て通信で以前行った「子育て支援アンケート」でも、第1位は、気軽に行ける場所と夫の存在でした。転勤してきた人でも親子で気軽に行ける場所があって、おしゃべりができたら、大きな支援になるということです。皆さんの地域にそんなしくみは、ありますか?
 コミュニティ雑誌「十勝ライフ 2月号」の掲載記事より

子育てネットワークとかちローズマリー 

≪子育て中の母親に心地よい空間を提供》

 2001年3月、子育て真っ最中の8人の母親が中心となり、「子育てネットワークとかち〜ローズマリー」が創設されました。「専門家や団体、行政機関とネットワークを図りながら、子育てしやすい環境を創り、さらに女性としての生き方まで考えていこうというのが目標です」と正村紀美子代表。
 現在NPO法人資格を申請中。まもなく認可がおりる予定です。今回は、この会の活動の様子と模索する今後について正村代表にお話をうかがいました。

≪始めるきっかけ》

 行政や団体による支援を受けていても、母親ははじめての子供を前に「孤独なつらい子育て」を強いられているのが現状です。核家族や個人のライフスタイルの変化により、地域の中での人と人のつながりが薄れ、相談したり、話をしたりする環境が少なくなっていることも「孤立」の原因として上げられます。
 正村代表も東京から結婚を機に芽室町へ。現在も3人の子育て中で、自分自身の経験も踏まえ、小さな輪でもいいから、人と人がふれあえる場所を創りたい、子どもが小さくて外になかなか出られない母子に時間と場所を提供したい、そんな願いが会結成の始まりでした。

≪サロンを実施》

 まずは、一人一人のお母さんとのつながりを大切にして、新しい子育て支援を目指そうと、「女性のためのサロン」をスタート。毎月第1・3火曜日に開催しています。引っ越してきたばかりで仲間がいない、誰かと話したい、サークルを作りたい…参加する人の事情はさまざまです。
 「スタッフは育児を経験してきた母親として、育児に疲れたお母さんの気持ちにそっと寄り添うことができたらいいなと考えています」と正村さん。サロンはとてもにぎやか。子どもがオモチャで遊ぶ中、お母さんは思い思いの居場所を見つけ、会話を楽しみます。スタッフの中には保育経験者、助産婦、カウンセラーなどもおり、必要に応じてサポートも行っています。

≪講座やイベントも》

 昨年6月からは、育児や生活関連の専門家を呼んでの「女性のためのセンスアップ講座」を開講。昔話しや絵本の読み聞かせがあったり、児童心理学を学んだり、料理教室を開いたり。ときには外へ出かけ、植物などに詳しい人の案内で「のはら歩き」も。「興味があるもの」を出し合い、スタッフが意欲的に企画し、実現させています。
 昨年11月10日には、社会福祉医療事業団子育て支援の助成を受け、「カプラワークショップ」を主催。カプラはただの板きれですが、いろいろな形が創れる不思議な材料。子どもと一緒になって大人も夢中になれる遊びです。167名もの人が参加し、「くやしい」「うまくいかない」「崩れた」「すーっとした」そんな思いを味わって、思いきり遊んで満足できるワークショップとなりました。

≪社会とのつながり》

 夢中で子育てをするお母さんの心にはどこかに「社会と離れている」不安がありま
す。サロンの活動で、「社会への意識が戻り始め、自分の居場所を見つけた」「自分
を振り返り見つめ直すきっかけとなった」との声が寄せられ、サロンの活動が実を結
びつつあります。
 また、サロンではいつもおいしいコーヒーが待っています。これは「さぽねっと」
という心理的支援団体と提携し、そのメンバーが心を込めていれてくれるもの。サロ
ンの活動は、こうしたいろいろな人との出会いによって広がります。

≪より新しい形へ》

 「ローズマリー」を立ち上げてまもなく1年。3月19日には総会が控えています。子育てと自分探しの模索が、より充実した形でできるようなサロンを目指し、4月のサロンはお休みし、5月から新しくスタートします。お母さんだけでなく、サロンで出会った人、関わった人たちが総会で意見を出し合い、実際に活動することで、さらに大きな広がりが生まれてきそうです。

●サロンは毎月2回、第1・3火曜日10:00〜13:00、芽室中央公民館2階老人研修室にて開催中。
参加料は200円でお菓子・コーヒー付き。会員は無料。2月は5日と19日。
会員は随時募集中で、年会費1000円、ニュースレターが送られるほか、講演・講座も
特別料金で受けられる。
●お問い合わせ先/TEL 0155-62-7042
子育てネットワークとかち〜ローズマリー〜
団体概要について
<目的>
子育て中の母親が母親の視点で子育ての環境を考え子育てを楽しむことのできる社会をめざして多様な子育て支援活動を展開し広く普及を図ると共に、保健・福祉・社会教育・環境・まちづくりなど様々な分野で活動している団体とのネットワークを創りながら、母親同士がともに支え合う豊かな地域社会の実現と自立した女性の創造を目的としています。

<活動内容>
*「女性のためのサロン」の開設
*情報ライブラリー
*連続講座、学習会、講演会の開催
*サークルづくり
*ネットワークづくり
*コーディネイト
*ニュースレターの発行


代表の正村さんからのメセージ「一年やって来て思うこと」です。

・サロンの必要性
 地域社会が今ほど子育ては、近所に住んでいる多くの人たちとの交流の中で「子育ての知恵」を学びながら、親も子どもも育っていくことができました。そこには「地域に住む子どもたち」を自分の子どものように暖かく見守るまなざしがありました。よそのおじさんに「挨拶をしない」といって叱られることがあっても、多くの人の関わりが子どもを育てていたのです。
 また、子どもの遊びも今ほど機械化されていませんので、「自分たちで考える」「創る」遊びが主でした。野原でのおままごと、小さな山や川はいつでも「隠れ家」「秘密基地」「探検」の舞台になり、足りないものは作る、それすらひとつの楽しみでありました。子どもたちはこうした遊びを通して、自然の雄大さ、恐ろしさを身をもって体験するとともに、創造力を高めながら人との関係の築き方を学んでいくことができたのです。
 今や子どもも大人も豊かに育っていく環境は、少子化、地域社会の変化とともに失われつつあります。「子育ての智恵」の伝承は途絶え、子どものあやし方、しつけや遊びなどを自然に学ぶことが難しくなっています。また、近所に住んでいながら同じような子育てをしている仲間との出会いのきっかけをつかめず、家庭で我が子と向かい合って毎日を過ごす「密室育児」に陥る家族もいます。
 その一方でビデオ、テレビ、おもちゃの氾濫は子育てを商品化し、ビデオがないと子どもをなだめられない親も出てくるなど、しつけなどの育児力の低下が問題になってきています。
 こうした状況を受け、国や自治体は「安心して子どもを生み育てることのできる」社会を目指して「子育て支援」を開始しました。「密室育児」から母親を救うために子どもを預けることができる場所が作られたり、「子育て」を教える講座があちこちで開かれています。
 しかし、子育て中の親の声を反映し、育児の代行サービスが次第に充実しているにもかかわらずあいかわらず「なぜこんなに子育てはしんどいのだろうか」と素朴な疑問が子育て真っ最中の母親には沸き上がってくるのです。
 
「私たち母親が本当に必要だと思っているものはなんだろうか」とあらためて振り返ってみると、はじめての子育てに戸惑い、疲れ、泣きたくなるような気持ちをそのまま受けとめてくれる人と場所、そして「私だけじゃないんだ」と新たな気持ちで子どもと向き合える勇気や元気を分かち合える人との出会いだ
ったと子育てを始めたばかりの頃のことが蘇ってきたのです。
 子どもを持つおかあさんが抱く気持ちを大切にした場づくりがしたい、専門家ではないけれど「あのときの気持ち」を共感することならできる、たったそれだけの思いで一年前サロンが始まったのです。
 この一年間、600人を越える親子がこのサロンを訪れました。本当にたくさんの人に出会い、そして学ぶことが多かった一年でした。参加者の皆さんはこのサロンを「居心地のいい場所」と呼んで大切にしてくれています。なぜならこのサロンは、参加している一人ひとりが大切にされていると感じることができるからではないでしょうか。子どもを育てる同じ母として、同じ女性として共感できる仲間が暖かく迎えてくれる、そうした参加者の方々の気持ちがサロンを作っているのです。
 来年度は母親への支援も質の高いものを目指しながら、子どもが育つ環境も充実させていきたいと夢を膨らませています。
 サロンは子どもが主体的に育つことのできる場であり、大人たちにとっては見よう見まねの子育てを学ぶ場であり、息抜きの場であり、情報交換の場でもあるのです。これは子育てしている母親が本当にほしいと思っている場所であり、また子育てをしているすべての親に必要な支援であり、「子育て」というコミュニティづくりなのです。

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