子育て支援でまちづくり
≪子育て支援にかかわっている方々に住民参加の機会を活用してもらいたくて書きました≫
子育て通信「心の基地になりたくて」NO36号(2001年6月発行より)
* いつものことながら、突然思いつきで新しいコーナーを作ってしまいました
* 「カルガモの母さん」「札幌のSさん」「石狩のNさん」はじめ、ここで紹介させていただいた方は、私への手紙やメールに書いてくださったことが、『子育て支援・まちづくり 私の場合』などとおおげさなタイトルをつけられ、驚かれていることと思います。ごめんなさい。

* 今の私は、このことを取り上げたくて取り上げたくて、がまんできないのです。2年前に,『子育てママが地域をつくる』という論文を書いて、通信でも紹介したことがありました。あの中で、書いたことが、現実にあちらこちらの地域でおきているのです。子育てを通して、さまざまな社会(公共)的な課題に気づいた女性が、「自分の出来ることからどうにかしたい」と、行動し始めている。……そのことを、広く社会に発信していきたいのです。

* なぜかというと。
きっと、以前から子育てや家庭生活を通して課題を感じ解決したいと行動していた方々はいらっしゃったことでしょう。良きにつけ悪しきにつけ、地縁・血縁の結びつきが強かったころは、町内会やPTAなどの大きな組織の中で、上からの指導(?)に従い、多くの人が同じ方向を向いて活動(まちづくり)することで効果を上げていたのだと思います。
ところが、地域の結びつきが薄れ「自分の生活を経済的に豊かにしたい」という生き方が主流になってから、人とのつながりが不可欠な営み〜子育て・教育・高齢者福祉・環境・安全など〜についての問題が噴出してしまっています。
* さて、それをどうにかしようと思った時、以前のような結びつきは崩壊してしまっていた。それじゃあ、どうしよう。新しい結びつきを作ろう!もしくは、以前からあった組織でも、中身や仕組みを変えていこう!となってきたのだと思います。

* もう少しわかりやすくいうと、子育てする時、以前なら地縁・血縁ネットワークで支えてきた家庭の子育て力(教育力)が、ぐーと弱まってしまった。でも、孤立した状態で母親だけで子育てなんてできない、しんどすぎる、子どもにとってよくない、…・・という課題が出てきた。でも、昔には戻れない。それじゃあ、どうするか。ということで、育児サークルができたり、託児のしくみができたりする。
* 以前からある大きな組織(町内会やPTAなど)も、上で決まったことについて、「協力しましょう」という形では、人々が動かなくなってしまった。下からの自発的な思い「これをしてみたいね」というような思いを原動力にして、小人数でもいいから行動してみる。それに触発されて周りも変わる。

* 一方、社会的な・公共的な課題を解決していくためにあるのが、行政なので、行政の仕組みや、そこで働く職員の方の意識も変わってきた・変わらざるを得ない状況になってきたのです。
* 20年くらい前までは、人々の行政へ望むことは、「上下水道をきちんとしてほしい」とか「道路を整備してほしい」とか「文化ホールがほしい」などのハード面の整備だった。けれど、ここ20年ほどは、ハード面の整備が進んだこともあり、「人のつながりが薄らいだことで噴出してきた課題をどうにかしてほしい」というソフト面の要求がドーンと増えてきた。
* さて、そうなると、「課題をきちっととらえるためには、当事者の意見を聞かなければ、解決できなくなってきた」それに、ものすごく要求が多様化してきたので、行政で財政的にもまかなえなくなってきてしまった。さらに、ソウト面の要求を解決していくには、人々の意識改革が何より重要になってきたので、上からの指導・啓蒙・お願いではなく、1人1人の自発性や主体性を喚起することが必要になってしまった。

* そこで、よく言われるようになったのが、協働のまちづくりとか、住民参加と言う言葉なんです。
* もっと簡単にいうと。「子どもの心や体がおかしいぞ」「家庭の子育て力(教育力)が落ちたからだ。」「もっと母親がしっかりせい」「あれれ、指導してもさっぱりよくならん。」「なんで大変なのか、本人達に聞いてみなければ」「ありゃ、これは、大変な事態だ。支援策を考えなければ。」「当事者もまき込んでいかないと、何も進んでいかない。どうやって、進めていったら良いのか?」

* 私達が通信で話題にしてきた、子育て・子育て支援・教育・男女共同参画社会・環境・福祉の分野で、特に、
@ 当事者の声を聞き、その中から課題を見つける必要
A 当事者の自発性を喚起して、解決のための行動を起こしてもらう必要
 が、出てきたのです。 

* 私も、4、5年前までは、「役場って、住民票をもらいに行く所」くらいにしか考えていませんでした。ただ、育児サークルを作る経験から保健婦さんに絶大なる信頼を寄せていたのと、お友達に役場の職員さんの連れ合いが多かったので、なんとなく親しみは感じていました。
* なんで、こんなに、「住民参加とか協働のまちづくりが進めば良いなあ」なんて心底思うような変わり者になってしまったのだろうと、落ち着いて考えてみると。

* その理由は、行政の方と協働した方が、課題が解決しやすいからです。10年間、私が感じてきた課題。「安心して心穏やかに子どもと向き合える環境がほしい」「子どもが愛される社会になってほしい」そのために、人と出会える場所がほしいとか、学ぶ機会がほしいとか、新しいしくみをつくりたいとか思った時に、自分達だけではできなかった。行政の人の協力があって出来た、支援してもらったからこそ地域の中で広がってこれた……と思うのです。さらに最近は、行政の仕事の中に「子育て支援」という分野も出てきたので、その仕事を進める時に自分たちの考えを取り入れてもらうことで、環境が整っていく…という実感があります。

* そういう意味では、市民活動(?)としては自立していない遅れているやり方なのだろうと思う。でも、それしか今はできないし、方法はどうであっても、「子どもが愛される社会の実現」に向けて環境が整えば、それでいい。

* 今回取り上げさせてもらった方々も、ご自分では「そんなおおげさなこと…」「ただ、自分が出来ること、したいことをしてるだけ」と思われていることでしょう。他の読者の方もそうですよね。だからきっと、みなさんが自然体で取り組んでいることに「住民参加」とか「協働のまちづくり」とか私が枠でくくってしまって、いやな感じがすると思います。
* でも、今がチャンス(?)だと思うのです。実は、行政の方も「住民参加を進めたい・進めなければならない」と思ってきているのですから。みなさんも、「これをしていくのに、行政の人に助けてもらいたいなあ」とか思うことってありますよね。でも、いつ・誰に・どこで・どういっていいのかわからない。そこが少し見えてくると、実現できることも広がってくるんです。

* ちょっと、堅苦しい耳慣れない言葉で、いやな感じがするかもしれませんが、相手がよく使っている言葉をこちらでも理解し使うことで、それまで不可能だった相手とコミュニケーションできるのも事実だと思います。
* 実際、協働でいろんなとりくみを始めている方が、どんどこ出てきているのです。最近「おー、すごい」とうなったのが、上川管内の方々です。本人達は、「なんか、できることを、ただやってるだけです」とか「ちょっとうるさい人に思われているかも…えへ」という、いたって自然体なのですが、学習会を企画したり、空き施設を子育て支援のために利用したり、保健婦さんらといい関係をつくったり…と。

* やっと、最初の「なんで、こういう事を発信していきたいか」に戻りますが。
* ひとつは、みなさんの参考にしてほしい。ということです。「してみたいことはあるけれど、私なんて」と思っている方、実は誰もがみんなそうなんです。この私も。ちょっと先いく経験者の方のやり方を真似して手探りで進んでいるだけ。このコーナーで、情報を仕入れて参考にしてね。

* もうひとつは、自発性をもって、行動したいと思っている人がこんなにたくさんいることを行政の人に強くPRしたいのです。みなさんはピンとこないかもしれませんが、「こんな企画がしたい」とか「こんな希望を多くの人がもっている」というような発信を住民がしてくれることを望んでいる職員さんが、いるのです。で、そういう方々は、「住民の中に、そういう人はほとんどいない。残念だ。」と思っているのです。
* だから、「そんなことないよ。課題を感じてどうにかしたい、できれば行政の人とも協働したいと思っている人は、こんなにいるんだよ。そういう人が参加しやすいような方法を工夫してね。私達も発信していくから…。」と伝えたいのです。

* 長々とすいません。今年1年、このコーナーは私のわがままで続けていこうと思います。「なんのこっちゃ」という方は、さーと読み流してください。なんとなく興味のある方は、『えっ、これが子育て支援?』ということでも、なんとなく関係がありそうと思うことは、投稿でもお手紙でもどんどんくださいね。

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